沖縄の中古車価格が「高い」と感じる人は少なくありません。
しかしその背景には、単なる需要増だけでなく、土地坪単価(とちつぼたんか)や輸送コスト、人口移動といった地域経済の動きが深く関係しています。
この記事では、沖縄の中古車市場を支える「地価」「生活コスト」「物流」の3つの視点から、今後の相場動向をわかりやすく解説します。
1. 沖縄の土地坪単価は過去10年で約1.5倍に上昇
沖縄県地価調査(国土交通省・2024年発表)によると、那覇市中心部では坪単価100万円を超えるエリアが拡大。
さらに中南部の豊見城市・糸満市・南風原町でも、平均坪単価は10年前の約1.4倍になっています。
| 地域 | 2014年平均坪単価 | 2024年平均坪単価 | 上昇率 |
|---|---|---|---|
| 那覇市国際通り周辺 | 約68万円 | 約102万円 | +50% |
| 豊見城市 | 約31万円 | 約45万円 | +45% |
| 南風原町 | 約28万円 | 約40万円 | +43% |
この地価上昇は、中古車販売店の運営コスト上昇につながります。
具体的には以下のような影響が出ています。
- 展示場・保管ヤードの賃料上昇
- 新店舗開設時の初期費用増加
- 車両価格への転嫁(販売価格に+3〜5万円上乗せ)
つまり、「沖縄の中古車が高い」と感じる背景には、土地価格の高騰も大きく関係しているのです。
2. 物流コストが中古車価格を押し上げる構造

沖縄は本土と異なり、車の流通の多くがフェリーやコンテナ船を介して行われます。
そのため、輸送コストが中古車価格に直接反映されます。
| 項目 | 本土平均 | 沖縄平均 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 陸送費(県内移動) | 約2,000円 | 約2,500円 | +25% |
| 船便費(九州〜沖縄) | 約30,000円 | 約42,000円 | +40% |
| コンテナ積み下ろし・整備費 | 約8,000円 | 約12,000円 | +50% |
輸送費の上昇は車1台あたり約2〜3万円の価格上昇要因になります。
また、近年は燃料費の高騰や人手不足も重なり、2025年以降も値下がりは見込みにくい状況です。
3. 人口移動と車需要の関係
沖縄県統計課のデータによると、2023年の県内移住者数は過去10年で最高の約3.2万人。
特に30〜40代のファミリー層が増えており、車の需要も高止まりしています。
一方で、新車納期の遅れが続いているため、代替需要が中古車市場に集中。
これが一部車種の価格上昇を後押ししています。
| 車種カテゴリー | 平均価格上昇率(2022→2024) | 備考 |
|---|---|---|
| 軽自動車(N-BOX・タント) | +12% | 家族層に人気集中 |
| コンパクトカー(フィット・ノート) | +8% | 通勤・通学需要 |
| SUV(ハスラー・ヴェゼル) | +10% | レジャー層・若年層に人気 |
4. 今後の沖縄中古車市場の見通し
結論から言うと、2025年以降もしばらく高止まりが続く可能性が高いです。
ただし、以下の条件を意識すると、よりお得に購入できます。
お得に買う3つのポイント
- 在庫の多い店舗を選ぶ
→ 仕入れルートが安定しているため、値下げ交渉がしやすい。 - 決算期(3月・9月)を狙う
→ 各販売店が回転率を重視するため、値引き幅が最大化。 - 防錆施工付きの車を選ぶ
→ 長期的に維持費を抑えられ、再販時にも有利。
5. まとめ:地価の上昇=車の価格上昇ではなく「価値の変化」
沖縄の中古車価格上昇は、単なる「値上げ」ではなく、
土地・物流・人口のバランスが変化した結果です。
長く乗ることを前提に、購入時の総額だけでなく、
維持費・リセールバリュー・環境耐久性まで考えて選ぶことで、
これからの沖縄の中古車市場でも賢く判断できるようになります。


