中古車市場では「人気ブランドだから高く売れるはず」と思い込んでいる方が多いです。ですが実際にはブランドイメージ=高額査定とは限りません。むしろ「有名車なのに、思ったほど値段がつかない」というケースも少なくないのです。今回は、その理由と具体例を分かりやすく解説します。
目次
なぜ有名車なのに安いのか?
まず押さえておきたいのは、買取価格は「需要と供給のバランス」で決まるということです。
たとえば以下のような要因が影響します。
- 販売台数が多すぎる車種
人気が高いモデルは新車販売台数も多く、市場に中古車が溢れます。台数が多ければ必然的に希少性は下がり、査定額は下がります。 - 維持費の高さ
燃費が悪い、大排気量で税金が高いといった要素は、中古車ユーザーにとって敬遠されやすいポイントです。 - モデルチェンジの影響
新型が登場した途端、旧型の相場が一気に下落することも珍しくありません。
実際にあった「ブランド神話崩壊」の例
以下の表をご覧ください。(※データは業界査定基準をもとにした平均相場例)
車種 | 新車価格(税込) | 5年落ち平均買取価格 | 残価率(新車価格比) |
---|---|---|---|
トヨタ プリウス | 約260万円 | 約80万円 | 約31% |
日産 エルグランド | 約420万円 | 約90万円 | 約21% |
ホンダ オデッセイ | 約360万円 | 約70万円 | 約19% |
トヨタ アルファード | 約480万円 | 約220万円 | 約46% |
プリウスやアルファードのように残価が比較的高い車もありますが、同じく知名度が高いエルグランドやオデッセイは、需要低下により驚くほど値下がりしています。つまり「有名ブランド=高値安定」ではないのです。
「ブランド神話」に頼らない査定の見方
ここで大切なのは、車の価値を冷静に見る視点です。
有名ブランド車であっても、以下を意識することで査定額を上げる可能性があります。
- 需要の高いグレード・装備を把握する
同じモデルでも、上級グレードや安全装備付きは評価が高い傾向にあります。 - メンテナンス記録を残す
定期点検記録簿があるだけで、買取額が数万円上がることは珍しくありません。 - 売却タイミングを見極める
モデルチェンジ前や決算期は、ディーラーや買取業者が積極的に在庫を欲しがるため、高値がつくチャンスです。
「ブランド神話」に振り回されない未来へ
過去の自分に言いたいのは、「名前で安心してはいけない」ということです。
中古車は“イメージ”よりも“実際の需要”で価値が決まります。
- せっかく有名車に乗っていたのに、「こんなに安いの!?」と後悔する人
- 逆に地味な車だと思っていたのに、「予想以上の高値!」と驚く人
この差は、事前に正しい知識を持っていたかどうかで決まります。
もし今「買取」や「乗り換え」を検討しているなら、ブランド名だけで判断せず、必ず相場をチェックしてから動くべきです。そうすれば「値下げ交渉されて損をした…」と後悔せずに済むでしょう。
まとめ

- 有名ブランド車でも、市場に多すぎれば価格は下がる
- 維持費やモデルチェンジの影響で残価が低いケースもある
- 「ブランド神話」ではなく、需要・装備・タイミングが査定額を左右する
つまり、「有名だから安心」という考え方は危険です。冷静に相場を知り、戦略的に売却することが、後悔しない中古車ライフにつながります。