中古車を少しでも高く売りたいと思うと、多くの方がまず「洗車してきれいにしよう」と考えるはずです。
しかし実は、査定に出す直前の「やり方を間違えた洗車」が逆効果になることをご存じでしょうか?
今回は、中古車査定の現場でよくある“洗車の落とし穴”を紹介します。売却前の準備で損をしないために、ぜひ知っておいてください。
なぜ「洗車」が査定額に影響するのか?
査定員は車の状態を「外装・内装・機関系」に分けてチェックします。特に外装は第一印象に直結するため、「きれいに保たれているか」が重要。
実際、ある大手買取業者の調査によると、外装状態で最大10万円の査定差が出るケースもあると報告されています。
ただし、問題は「やりすぎ」や「間違った方法」です。誤った洗車は、かえってマイナス評価につながります。
やってはいけない洗車3選
① 強いコンパウンドで磨きすぎる
小傷を隠そうとして、市販のコンパウンドを使う方は多いです。
しかし、塗装のクリア層は約30〜50μm(髪の毛の1/2程度)しかなく、削りすぎると艶が不自然になり「修復隠し」と誤解されることも。
査定員は光の反射で磨き跡を確認するため、かえって減点になる可能性があります。
② 水滴をそのまま放置

洗車後に拭き上げをせず放置すると、水道水のミネラル分が残り「イオンデポジット(水ジミ)」になります。
これは紫外線で固着すると通常の洗車では落とせないため、査定時には「塗装劣化」と見なされるケースも。
特に沖縄のような日差しの強い地域では要注意です。
③ エンジンルームを水で丸洗い
「中までピカピカにしたい」と考えて高圧洗浄機を使うのは危険です。
センサーや電装部品に水が入り込むと故障の原因となり、査定どころか修理費用が発生することもあります。
実際、査定前に自分で洗浄してチェックランプが点灯してしまい減額された事例も少なくありません。
プロが教える「正しい洗車」のポイント
査定前は“きれいに見せる”ことが大切です。以下の3つを意識しましょう。
- 手洗い洗車+中性シャンプー
強い研磨剤は使わず、優しく洗うだけで十分。 - 拭き上げは必須
マイクロファイバークロスで水滴を残さない。 - タイヤ・ホイールを仕上げる
黒々としたタイヤは見た目の印象を大きく変えます。
これだけで「普段から丁寧に乗っていた車」と好印象を与えることができます。
体験談:洗車ミスで「3万円減額」
過去にこんなお客様がいました。
売却前にボディの小傷を消そうとホームセンターの研磨剤で磨いたところ、部分的に塗装の艶がムラになってしまいました。
査定員はすぐにそれを見抜き、「再塗装が必要」と判断。結果として3万円の減額になってしまったのです。
逆に、シンプルに手洗いしてホイールを磨くだけで「印象が良い」とプラス査定になる事例もあります。
まとめ:査定前の洗車は「やりすぎない」のが鉄則
- 強い研磨は逆効果
- 水ジミや故障のリスクに注意
- シンプルに洗って清潔感を出す
これが、査定前に絶対に覚えておきたい洗車のルールです。
「ピカピカにした方が高く売れる」と思いがちですが、実は“やりすぎない”ことが一番のコツ。
正しい洗車を心がけるだけで、あなたの愛車は査定員に良い印象を与え、数万円単位の査定アップにつながる未来が待っています。