中古車を売るとき、多くの方が気になるのは「果たしていくらで売れるのか?」という一点でしょう。
しかし実際に査定を受けてみると、その金額の差に驚かされることがあります。先日、あるお客様の体験から“査定額が2倍違った”という実例がありました。今回はそのリアルをお伝えしながら、読者の方が同じ失敗をしないためのポイントをまとめていきます。
出張査定を依頼したお客様のケース
沖縄県内にお住まいの40代男性のお客様。
所有していたのは 平成27年式のホンダ・フィット(走行距離8.2万km、グレードは1.3G)。大きな事故歴はなく、内外装も比較的きれいな状態でした。
- A社(大手買取店):査定額 18万円
- B社(地域密着店):査定額 35万円
なんと、約2倍近い差額が提示されたのです。
なぜここまで差が出たのか?
査定額が2倍も違った理由は、各社の「買取戦略」と「販売ルートの違い」にありました。
- A社(大手)
全国ネットワークを持つ強みはあるものの、査定基準がマニュアル化されており「年式・走行距離・相場」に沿った評価になりやすい傾向があります。結果として、平均的な価格を提示するケースが多いのです。 - B社(地域店)
沖縄では小回りの利くコンパクトカーの需要が高く、さらにB社は地元販売ルートを確保していました。そのため、仕入れた車をすぐに店頭販売できる見込みがあり、査定額を大きく上げることができたのです。
つまり、査定は「その会社がどう売るか」で決まるといっても過言ではありません。
数字で見る「査定額の差」
日本自動車販売協会連合会のデータによると、同じ車種でも買取業者によって最大で20〜40%の価格差が出ることは珍しくありません。
今回のフィットのケースでは、差額17万円。もしA社だけに依頼していたら、その分の損失は確定していたことになります。
表にまとめると以下の通りです。
項目 | A社 | B社 |
---|---|---|
査定額 | 18万円 | 35万円 |
差額 | – | +17万円 |
販売ルート | 全国オークション中心 | 地元店頭販売 |
出張査定のメリットと落とし穴
出張査定は、自宅まで来てくれるため非常に便利です。しかし「1社だけに頼む」というのは大きなリスク。
今回のように大きな差額が出てしまうこともありえます。
- メリット:手間が少ない、比較的早い、即日現金化の可能性もある
- デメリット:1社のみ依頼だと「相場の下限」で買われる危険性がある
高く売るためのポイント3つ
- 必ず複数社に依頼する
最低でも2〜3社から見積もりを取りましょう。比較することで「本当の相場」が見えてきます。 - 需要がある店を選ぶ
地元で人気のある車種は、地域密着店が高く評価してくれるケースが多いです。 - 売却のタイミングを逃さない
中古車市場は3か月ごとに相場が変動します。査定額が高いと感じたら即決するのも一つの戦略です。
まとめ:査定は「比較」がすべて

今回のケースから学べるのは、出張査定1社だけに頼むのは危険ということです。
同じ車でも、売却先によっては「2倍」の差が生まれる。これが中古車業界のリアルです。
「買取で損したくない」と思う方は、必ず複数社の査定を受けてください。
そのひと手間が、数万円〜数十万円の“値下げ”を防ぐ行動につながります。
未来のあなたが「もっと早く知っておけば良かった」と後悔しないために、今回の事例をぜひ参考にしてください。