ドライブレコーダー(以下ドラレコ)は、事故時の証拠確保のためだけでなく、中古車査定の評価にも関わる装備となりつつあります。
特に沖縄のように道路事情が独特で、狭い路地や観光車両との接触リスクが多い地域では、その価値が年々高まっています。
今回は、ドラレコが査定にどう影響するのか、実際の査定現場での評価ポイントを解説します。
1. ドライブレコーダーが査定でプラス評価になる理由
中古車査定でドラレコが評価されるのは、単に「安全装備だから」ではありません。
以下の3つの要素がプラス評価のポイントです。
| 評価項目 | 内容 | 査定加点目安 | 
|---|---|---|
| 記録装置としての機能 | 常時録画・駐車監視が動作している | +5,000〜15,000円 | 
| 機器の状態 | 配線・固定・映像品質が良好 | +3,000〜10,000円 | 
| ブランド・取り付け位置 | 有名メーカー製(コムテック・ユピテルなど) | +5,000円前後 | 
査定士は「装備があるか」だけでなく、取り付けの丁寧さと機能が生きているかを見ます。
例えば、配線が露出している、レンズが曇っているといった状態は、減点対象です。
2. 前後ドラレコは“必須装備”に近い
2024年以降、全国的に交通トラブル映像の提出事例が増加しており、前後カメラの需要が急上昇しています。
実際に沖縄県内の中古車販売業者の約7割が、「前後ドラレコ付き車両を優先的に仕入れる」と回答しています(2025年4月 当社調査)。
また、前後セット装着車は、未装着車に比べて平均で12,000〜20,000円高い査定額がつく傾向があります。
3. 沖縄ならではの評価傾向
沖縄の中古車市場では、本土と異なる「地域特性」が査定に影響します。
| 要因 | 内容 | 査定への影響 | 
|---|---|---|
| 高温多湿・塩害 | 内部基盤の劣化・レンズの曇り | 動作不良だと減点(−3,000〜10,000円) | 
| 駐車環境 | 駐車場での接触事故リスクが高い | 駐車監視モード付きなら加点 | 
| 長期使用傾向 | 沖縄では1台を長く乗る傾向 | 耐久性が高いモデルは好評価 | 

特に「駐車監視モード」があるドラレコは、那覇市や宜野湾市などの集合住宅エリアでの需要が高く、買取業者からの評価が上がります。
4. 減点になるケースにも注意
以下のような状態では、逆に査定額が下がることがあります。
| 状態 | 内容 | 減点目安 | 
|---|---|---|
| 配線が露出している | 安全性・見た目が悪い | −5,000円前後 | 
| 両面テープ固定が外れかけている | 取り付け不良と判断される | −3,000円前後 | 
| 動作しない・電源不良 | 故障扱い | −10,000円前後 | 
また、個人情報が残っているSDカードを入れっぱなしの状態で売却するとトラブルの原因になるため、初期化をしてから査定に出すのが鉄則です。
5. 査定前に確認しておきたいチェックリスト
| チェック項目 | 内容 | 
|---|---|
| 電源が正常に入るか | ACC連動・常時電源の確認 | 
| 前後カメラが撮影されているか | 録画・保存が正常か確認 | 
| レンズの汚れ・曇り | レンズクリーナーで清掃 | 
| SDカードの状態 | 容量オーバー・破損確認 | 
| メーカー・型番 | 国内メーカー製なら加点対象 | 
このように、少しの点検で査定アップが期待できます。
6. ドラレコ付き中古車の再販価値
ドラレコは、再販時にも「安全意識の高いオーナーだった」という印象を与えます。
そのため、買取業者も次のオーナーに対して販売しやすく、装備価値を維持しやすいアイテムです。
例えば、同年式・同走行距離の軽自動車で比較すると、
- ドラレコ付き車:平均査定額 330,000円
 - 未装着車:平均査定額 310,000円
と、約2万円の差が出る傾向があります。 
まとめ:ドラレコは“装備”ではなく“評価資産”
沖縄の中古車市場では、ドラレコは単なる付属品ではなく、査定アップの武器になっています。
前後カメラ・駐車監視付きのモデルを正しく設置し、日々メンテナンスしておくことで、
売却時の評価だけでなく、日常の安心にもつながります。
これから車を売る・買い替える予定がある方は、
「ドライブレコーダーの有無」を査定対策の一部として考えるのが、今の沖縄中古車市場で賢い選択です。


